大きな指摘より、小さな指摘を何度も受け続けるほうが、人はこたえます。「間違っているのは自分だ」と、静かに思い込んでしまうからです。新人時代の私は、まさにこの状態でした。今日は、その仕組みと、そこから抜け出すためにやったことを書きます。
「普通、確認するでしょう」に、何度もつまずいた
システム開発の会社に配属されたばかりの頃、OJT担当から「普通こういうこと確認するでしょう」「ちょっと考えればわかるでしょう」と言われることがよくありました。一つひとつは、そこまで強い言葉ではありません。でも、そうした小言を重ねられるうちに、自分の中でタネが育っていきました。上司が気にかけてくれていたことの裏返しで、四六時中画面をのぞかれているような気がしたり、上司以外の人と話しているときまで会話に耳をすまされているような、被害妄想に近い感覚が強くなっていったのです。
「また怒られた」が積み重なると、挑戦できなくなる
心理的な安全が崩れると、人は挑戦をやめます。私の場合もそうでした。「また小言か」から「また言われた」、そして「何をやっても怒られる気がする」まで、失敗する前から気持ちがすり減っていったのを覚えています。言っているのが1人だけなら、「相手の問題だ」と割り切ることもできます。でも、頭の中で色んな場面と結びついて増幅していくので、逃げ場がなくなるのです。「悪いのは自分のほうだ」という結論に、静かに落ち着いてしまいます。
悪気のない指摘のほうが、実はやっかいだった
明確な悪意を持つ相手には、意外と対処しやすいものです。厄介なのは、悪気なく小言を重ねてくる相手でした。「指摘は正しいのだから、口答えするべきじゃない」。そう考えて黙り込むうちに、相手はさらに強気になっていきました。言い返さないことは、時に相手を強くしてしまいます。
「悪いのはあいつだ」ではなく、「その言い方はきつい」を伝える
あのころの自分に言えるとしたら、こう伝えたいです。相手が正しくても、自分に非があっても、「その言い方はきつい」と感じたなら、それを伝えていいのだと。開き直る必要はありません。ただ、本当にしんどくなる前に、小さく発散しておく。
もうひとつ、タネを育てないコツがあります。頭の中だけで転がしていると、どんどん大きくなっていきます。紙に書き出す、AIに話してみる。声にして外に出すだけで、少し距離を置いて見られるようになります。しばらく経ってから見返すと、「これは直したほうがいいかも」と自分の改善点に気づけたり、逆に「そこまで大したことじゃなかったな」と拍子抜けすることもあります。
それだけで、積み重なる石の数は減らせます。
今つらい指摘を受けているなら、それは石が大きいせいではなく、石の数が多いだけかもしれません。数の問題だとわかれば、対処の仕方も変わってきます。


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