会議でAさんとBさんの意見が割れたとき、どちらの言い分もわかってしまって、結論を出せなかったことはないでしょうか。
「優柔不断だから」「決断力がないから」と自分を責めたくなりますが、実はこれ、欠陥ではなく「強みが効きすぎている」だけかもしれません。私自身、長くこのパターンに悩まされてきました。
きっかけは、ストレングスファインダーの数字
私はストレングスファインダー(才能診断ツール)を受けたことがあります。上位に出てきたのは、調和性・共感性・内省・収集心・コミュニケーションでした。
調和性というのは、対立を避けて落としどころを探る才能です。「まあまあ、落ち着いて」と間に入り、双方の言い分を聞いて合意点を探る。会議や人間関係の潤滑油になる、れっきとした強みです。
ただ、この資質が強く出すぎると、別の顔を見せます。「どっちの言うこともわかるから、決められない」という状態です。上位の資質ほど自然に出てしまうので、自分では「ただ普通にしているだけ」のつもりで、実は毎回同じパターンにはまっていることに気づきにくいのが厄介なところです。
独立してから気づいた、もう一つのクセ
このクセに本当の意味で気づいたのは、会社員を辞めて独立してからでした。
空白を見つけると、とりあえず自分で埋めようとする。誰も手を挙げないと、「じゃあ自分が」と動いてしまう。これも調和性が暴走している状態だと、独立後になって初めて言語化できました。会社員のときからずっと同じことをしていたのに、組織の中にいるとそれが「気の利く人」として評価されてしまい、クセだと気づくきっかけがなかったのです。
強みは、使われすぎると弱みのような顔をして現れます。これは調和性に限った話ではなく、どの資質にも起こりうることだと思います。
知っているだけで、落ち着いて対処できる
この資質に自分で気づいてからは、何が変わったか。
「決められない」ことがなくなったわけではありません。ただ、「あ、今これ、いつものパターンに入ったな」と、自分を一歩引いて見られるようになりました。
季節の変わり目に風邪をひきやすいとわかっていれば、早めに上着を一枚持っていくのと同じです。自分の特性をあらかじめ知っておくだけで、同じ場面に差しかかったときに「ここで立ち止まりすぎると、いつもの堂々巡りになる」と予測が立てられる。予測がつけば、対処のしようもあります。
「仕事が向いていない」「決断できない自分はダメだ」と感じているとき、本当は欠陥ではなく、どこかの強みが効きすぎているだけ、というケースは意外と多いです。自分の資質を知ることは、自分を責める材料を増やすためではなく、使い方を調整するための手がかりを増やすためにあります。
自分の強みがどこで効きすぎているのか、一人で言葉にするのはなかなか難しいものです。誰かと話しながら整理すると、思いがけず輪郭がはっきりすることがあります。
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